いつもは爽やかなゆうも、今は怖いくらいに冷めた表情をしていて。思わず、ゆう、と名前を呼ぶと、ゆうの顔に柔らかさが戻る。
私と瞳をあわせたゆうは、「気にしなくていいよ」なんて、慰めてくれて。
重苦しい雰囲気も少し和らいだところで、ゆうの手のひらが私の頭をぽんって軽くなでる。
それから、千草と広野みゆちゃんの方を向いて爽やかに笑いながら口を開いた。
「突然で悪いんだけどご飯食べたら別行動にしない?俺と青、今日がちゃんとしたデートはじめてだし。だから、そろそろ二人になりたいなって」
正直、本当に助かる提案だった。
二人になりたかった。
というより、はやく二人の前から逃げ出したくて。
これ以上、千草と、いたくなかった。
広野みゆちゃんは、ゆうの言葉に頷いて、にっこりと笑う。
「うん、私もそろそろちぃくんと二人になりたいなあって思ってたし、賛成だよ」
語尾に音符がつきそうな嬉しそうな声。
二人になりたいって思っていたくせに、なんで昨日誘ったの?千草との仲をみせつけるため?



