千草から隣のゆうに見る方向を変えたら、目がしっかりと合ってしまう。ばちって音がするかと思うほどの合わさり方だった。
なんだか決まりが悪くなって、苦笑いする。
誤魔化すように、
「ゆう、スープ飲む?」
なんて言って、スープの入った器をゆうの方へさしだした。
「飲む。ありがと、青」
ゆうがスープをスプーンですくって、そのまま口に含む。その動作を、目で追ってしまう。ゆうは誰かさんと違って猫舌じゃないみたいだ。
「ん、美味しいねこれ」
器を私の方に戻しながら微笑むゆうに、なんだか得意げな気持ちになってしまった。もう、気持ちは元どおり、そう言い聞かせる。
「じゃあ、俺も。はい、カルボナーラどうぞ、
ゆうが、器用にフォークにパスタを巻きつけてそこにベーコンをのせて。それを、私の方にそのまま差し出してきた。
「え、」
フォークはゆうが握っている。少し私の方に身体を寄せて、フォークに巻きついたカルボナーラの匂いが鼻腔をくすぐる。
......これは、もしかして、食べさせてくれようとしているの?



