しばらくして、店員のお兄さんが注文した料理を持ってきてくれた。
ミネストローネがふたつ置かれた時、また気まずくなったら嫌だなって怖かったけれど、今度はならなくてほっとする。
湯気がのぼっていて、いい香りがする。小さくカットされた野菜がたくさん入っていて美味しそうだ。
スプーンにすくって、息を吹きかけてさます。口に入れたら、じんわりとミネストローネの味が広がって、思わず頰が緩んでしまった。
「んんひぃ!」
「美味しいって言ったの?可愛い」
「ふん?!」
不意に言われたゆうからの可愛いの言葉に照れつつ、ミネストローネを味わう。
ゆうは、目を細めて笑ってる。爽やか代表め。
広野みゆちゃんは、小さな口でピザを頬張っていて、やっぱり可愛かった。口の端が、トマトソースでちょっと赤く染まっていて、そういうのももれなく可愛くて、ずるい。
スプーンを口に含ませたまま、広野みゆちゃんから千草に視線をうつせば、やつは、まだふぅふぅってスープをさましていた。
.......猫舌いつになったら直るの。



