ねえ、理解不能【完】






少し歩くと、ゆうが言っていたイタリアンのお店があった。


ちょうどお昼時だったけれど、空いていてほっとする。高級なのかな?と思ったけれど、値段はいたって普通で、高校生でも払えるレベル。

店内に入ると、オシャレなジャズがかかっていて、雰囲気もいい。

物腰柔らかそうなお兄さんに案内してもらって、四人席に座る。



千草と広野みゆちゃん、私とゆうが隣同士になるように。私の目の前には、広野みゆちゃんが座った。

いい匂いするね、なんて笑いかけてくる。そうだね、って上手に返事ができる。


「いらっしゃいませ。こちらメニューでございます、お決まりになりましたら、お手元のベルでおしらせください」



店員のお兄さんがメニューを二つ静かにテーブルにおく。



私は、ゆうと一緒にメニューを眺めた。
同じようにテーブルの向こうで、くっつきあってメニューを見ている千草と広野みゆちゃん。

千草はまだ顔色が悪くて、ちょっと不憫。