ねえ、理解不能【完】




広野みゆちゃんの右手にお店の袋。


左手には_______






千草の右手。




二人の手はしっかりと繋がれていた。

恋人繋ぎ。ピンク色に染められた広野みゆちゃんの爪と、細くて長い千草の指。


目の奥がちかちかする。


なんか、強烈だ。なんでかな。嫌だな。
そんなことする性格じゃないじゃん、だって。

好きな女の子限定?


グサリ、胸に何か刺さったけれど、ぎゅうってゆうと繋がった手に力を込めたら、同じ力で握り返してくれて。

なんとか平然としてられる。




私には関係ない。私もゆうと繋いでるし。



大切だったおもちゃを奪われて誰かの胸の中で大切にされてるみたいな感覚。

たぶん、こんなの、ただの執着だ。情けなくて嫌になる。千草はおもちゃじゃないのにね。