ねえ、理解不能【完】





アクセサリーショップを出ると、またゆうが手を繋いでくる。今度は、繋いでいい?も聞いてこなかった。

今ゆうが、爽やかな表情だけど、少しむっとしてることなんとなくわかる。原因は、おそらく一つしかない。さっきの会話。


アクセサリーの輝きで少し目が疲れていた私は、ぱちぱち瞬きを繰り返しながら、ゆうの隣にいる。


ゆうの手をそっと離すことができたらいいのに。人混みに疲れてしまったから、そんな最低なことを考えてしまうんだと思う。



広野みゆちゃんもお目当てのアクセサリーを買い終えたのか、お店から出てきた。


満足そうに笑ってる広野みゆちゃんの顔。可愛い、お姫様。あんな風になれたら、なんてことは意地でも思わないよ。

本当に、アクセサリーがすごく好きそうな女の子だ。今日だって、小さな耳にドライフラワーのイヤリングをつけて、髪を結わえるゴムには赤色のリボンがついていて。センスがいい、お似合いだよ、本当に。


そうげんなりした気持ちで、視線を二人の間にずらす。




「......っ、」



そこで、思わず目を見開いてしまった。