ねえ、理解不能【完】






「ブルーのピアスの方が私は好きかも」



どっちも似合うと思うけど。青色の方が好きだし、なんてそんな適当な理由。

フープピアスはどちらかというと千草っぽい。いやでも、やっぱり今でも面白いんだよね。不機嫌な千草の耳にピアスがついてると。

クスってひとりで笑ってしまって、ゆうに不審な目を向けられる。



「千草もね、実はピアス好きなんだよ」

「.....それで、今笑ったの?」

「え?.....あー、ううん、違うくて、」


やってしまった。たった今、気をつけようと思ってたのに。何もかも忘れて、能天気なことを。



「....旭のこと、俺あんまり興味ない」

「.........、」

「これ買ってくるね」




....本当に私ってダメなやつだ。絶交中なのに、なんで嬉しそうに話しちゃうかな。しかも付き合ってるゆう相手に。自分のことだけど、本当に油断も隙もならないや。



レジに向かったゆうの後ろ姿を見つめながら反省する。


ダブルデートって難しい。