ねえ、理解不能【完】



申し訳ないけれど、私は全くアクセサリーに興味がなくて。ピアスの穴なんて絶対にあけないし、ネックレスは首元がそわそわしそうで嫌だし。辛うじて興味があるのは、腕時計くらいだ。あれ?腕時計はアクセサリーじゃないか。


千草がピアスの穴を開けた時も、いつも眠たそうなくせにそういうのには興味あるんだってなぜかウケてしまったくらいで。笑う私の隣でやつはすごい嫌そうな顔をしていた。ウザイ帰れ、って言われた気がする。


だけど、千草はピアスが似合ってたな。センスがいいのもあるけれど、自分に何が似合うかちゃんと分かってるんだと思う。


.....やだな。ふとした時に考えてしまう。

そろそろこうやって思い出す癖をやめないとって十分わかってるよ。だけど、色々なところに引き金となるものがあって嫌になる。苦しいのは自分なのに。




「これとこれだったらどっちが好き?」



ゆうが、ブルーのひし形ピアスとゴールドのフープピアスを両手に持って私に見せる。

ゆうは爽やかで好青年なイメージしかなかったから、こっそり耳にピアスの穴を開けているなんて意外だった。


やんちゃな時もあったよ、ってさっき言っていたけれど、想像できなくて、困る。