「わあ、みて!これかわいい!」
デパートのアクセサリーショップ。
広野みゆちゃんは、シルバーのコスモスがついたネックレスをもって、顔を綻ばせる。
「ちぃくん、私これ似合うかな?」
「うん」
「わ、本当?!嬉しい。ちぃくんはアクセサリー興味ないの?」
「うん、ない」
嘘つき。本当は、ピアス興味あるくせに。高校に入る時、こっそり耳にピアスの穴を開けていたこと知ってる。というか、その時一緒にいた。適当に嘘つくのやめたほうがいいよ、本当にこんなやつのどこがいいの?
なんて、私にはまったく関係ないことだった。そうだった、あぶない。
「青、俺あっちの方も見てみたいかも」
ゆうに手を引かれて、千草たちから離れる。
今、ゆうと一緒に、ゆうのピアスを選んでいるところだ。



