ねえ、理解不能【完】




私はゆうの隣。
広野みゆちゃんは千草の隣。


駅をでて、デパートに向かう。


広野みゆちゃんは千草に耳元で何か話しかけて、それで千草は小さく頷いていた。内緒の話、わざわざこんなところでやらなくていい。

今日の千草は、カーキーのダボっとしたズボンに黒のパーカー。お姫様な広野みゆちゃんの隣でなんともラフな格好をしている。

なのに、森の住人役にはならないんだよね。顔が整っていてスタイルがいいからなんでも似合ってしまうところがムカつく。


千草に心の中で悪態をついていたら、青、と隣から声がして急いで視線をそっちに向ける。