広野みゆちゃんは、オフホワイトのふわふわしたワンピースにヒールのある茶色の可愛い靴を履いていて、髪はうしろでゆるい三つ編みをしてまとめてる。まるで、お姫様のようだ。
私は、自分の格好を見る。
同じ映画に出るなら、森の住人役?
急に恥ずかしさに襲われて、うつむいてしまう。見劣りしすぎだと思う。比べられたら嫌だ。
ーーー誰に?
「青ちゃん?」
広野みゆちゃんの声で我に返る。
もう私たちのそばまできていた二人。触れ合ってる腕。思い出さなくていいのに絶交みたいになってしまう日の朝、「離れて」って言われたことが頭の中で再生されて。
私はその思考を振り切るように、笑顔をつくる。
「ううん、なんでもない。いこう?」



