お風呂からあがって、手当てをしようとした時だった。

「くるん〜。お客様が、来てるわよ〜。」

「誰〜?」

「くるんの部屋に先に案内をしたから〜。」

「分かった。スミレ、おいで。」

「ワンワン。」

髪の毛は、乾かしたけれど、家では、ハーフアップをしている。

「入りまーす。」

「清水君!?」

何で?

あ、今、6時だ。

きっと、清水君の家は、門限が、7時までなんだぁ。

「くるん、露出し過ぎじゃね?寒くねーの?」

「ううん。別に。」

まぁ、短パン・半袖だからかなぁ。

韓国風のパジャマ。

短パンは、黒で、しろライン

Tシャツは、白で、黒文字になっている。

「で、清水君、どうしたの?」

「あのさぁ、言いにくいんだけど、バスの座席。近くに五十嵐達がいる」

「大丈夫だよ。話さなきゃいけない訳じゃないし。」

「それが、バスの班があって、一緒になって、バスの中で交流みたいなのをしよ
う。って言う、話になって。さっき、渡すの忘れてて。」

「わざわざ、ありがとう。」

プリントを見たら、周りが、ほとんど男子で、派手な女子しか居なかった。

うぅ。清水君居て、良かった。

「清水君、あのさぁ、遠足の部屋着とかの話ってされた?」

「あぁ、してた。別に自由で良いって言ってたよ〜。」

「あの、」

「何?」

「もし、遠足で萌依と2人っきりになりたいなら、男子こっちの部屋に集めて、遊
びますし。」

清水君が、ほんのりと顔を赤くした。

「大丈夫ですよ。付き合っていて、一緒に居たいって思うのは、きっと、普通で
すから。」

「なんていうか、こっちの気持ちは考えてくれていて、ありがたいんだけれど、
くるんに、申し訳ないことがあって。」

「言ってください。怒りませんから。」

なんだろう?

「バスの中で交流するのに企画を今日の時間までに決めなきゃいけなくて、
五十嵐達が、勝手に、怖い話に決めちゃったんだよ。本当、ごめん。」

「大丈夫です。」

清水君が、動いた。

どこに、いくんだろう?

「震えてるのに、大丈夫そうには、見えない。」

「清水君、部活で疲れてるんじゃないですか?」

「今日は、ミーティングだけだったから。」

怖い話かぁ。

やっぱり、なんだかなぁ。

「バスの座席、俺少し酔うから、窓側でも良かった?」

絶対、怖い話聞こえてくる。

「酔うんですね。大丈夫です。くるん、酔わないので。
気分が悪くないように祈ります。」

「やっぱり、震えてるよ。」

そう言われ、手を触られた。

「バスの中でイヤホンで音楽聞くので大丈夫です。」

「まぁ、ほんとに無理そうだったら、言ってね。どうにか、するから。」

「じゃあ、これだけの用事だったから。」

くるんの家の玄関でバイバイした。

心臓がバクバクで。

くるん、どうしちゃったのかなぁ?