歩く距離が長くて、痛みも感じて来た。

ポロ。



「くるん、そんなに足痛いのか?」

「うぅ。」

千葉、気づかないでよぉ。

「乗って。」

「ううん。」

おんぶして貰うとか恥ずかし過ぎる。

確かにねぇ、2ヶ月前よりは、軽くなったかもしれないけど、

体重は、重いと思うよ〜。

「千葉、おろして〜。」

「無理だ。くるんが、無理するから悪いんだ。」

「してないよ。千葉、どうしたの?」

「心配なんだよ。今日だって、朝無理してただろ。」

なんにも考えてないように見えるけど、心配してくれてるんだぁ。

「あれ、部活は?」

「今日は、用事あるから。」

「え、なら。っていうか、自分でおりて歩いて行けるから〜!」

「そんなに、俺の事嫌?
絶対、清水だったら、拒否らないだろ〜。」

「拒否るよ。だって、萌依が、嫉妬しちゃうもん。」

何で、千葉は、そう思うの?

くるんは、一体誰の事を忘れているの?

「千葉、くるんは、誰の事を忘れてるの?」

「は?」

「だって、くるんは、誰かの事を忘れているのは、病院で教えって貰ったけれ
ど、でも、誰かは、教えてくれなかったから。」

「自分で思い出さないとキツイぞ。頑張れ。」

何でだろう?

思い出せる保証もない。

でも、9割くらいの人は、思い出せるらしい。

「千葉、ありがとうね。」

「おう。」

「バイバイ。」

最近の千葉は、何だか様子がおかしいような気がする。