「さ、もう時間だ。いっておいで。……紅野(こうの)頼んだよ」



「はい、いってらっしゃいませ」



私のお世話係である紅野は深く藍に頭を下げた。



「じゃあね、海桜。次帰ってきた時に高校生活の話を聞かせてよ」



「……うん、いってらっしゃい」



私が手を振る姿に藍は満足そうな顔をして部屋を出ていった。



「海桜さんも行きましょう。車はもう下につけてあります」



「……うん」