藍は表社会も裏社会も牛耳る香月家の当主。 だからいつも海外や出張に行っててほとんど家に帰ってこない。 今日も会えたのは2ヶ月ぶりだ。 「大丈夫、すぐ帰ってくるよ」 藍はそう言ってポン、と私の頭に手を置いた。 「……気をつけてね」 ……私は11歳の頃母親を亡くしている。 その頃から母親の弟である藍に引き取られて香月家の養子として育てられた。