……クソ親父だ。
「……お母さんはあの父親から皐月を奪還するつもりだったよ。……でも病気の進行が進んで裁判どころじゃなかった」
「……嘘だ」
「……本当……」
「……だったら! おまえが叔父さんのところに引き取られた時におまえが叔父さんにお願いすればよかっただろ!あの親父から僕がどれだけ必死に逃げてるんだと思ってるんだ!今も!」
「……っ」
グッと胸ぐらを掴む力が強くなって咳き込みそうになる。
……そんなの……痛いくらい分かってるわよ……!
「……そりゃ私だって!皐月のこと迎えに行きたかったわよ!お母さんもいなくなってあの父親は家族だと思いたくない!そうしたら私の家族は皐月しかいないじゃない!」
涙ぐみながらそう大声で言うと皐月は少し掴む力を緩めた。
そして私は言葉を続ける。
「……でも……でも、私だって色々あったのよ……迎えに行けるならすぐ迎えに行ってたわ!でもそうはいかなかった!私は香月家の跡取りとして育てられた!藍に!
あの父親に引き取られたなら分かるわよね、橘組がどれだけ香月家が邪魔か……!」
「………知ってるよ、僕だって香月家が邪魔だ。ていうか橘組だって邪魔だ」
「……え?」



