けれど周りの音が聞こえなくなるくらい私の頭は昔の記憶を巡っていた。 皐月……天宮……私の旧名…… 私の実の父親はお母さんに毎日暴力をふって……私たちにもふって…… お母さんは離婚した……私はお母さんに引き取られたけど……皐月は……父親に引き取られた…… 「……おい、海桜?変だぞ、おまえ……どうした?」 「……桜雅さん……」 ……信じられない。私は忘れたかった。 過去のことも、全部。 なのに全て鮮明に思い出してしまいそうだ。