私がそう呟いた瞬間、ガチャッとドアが開いた音がした。
帰ってきた……!?
「桜雅さん……!」
玄関まで走っていくと桜雅さんはケロリとした顔でそこに立っていた。
「あ、香月ただいま」
そして普通に何も無かったかのようにそう言う。
でも後ろのみんなは顔に返り血を浴びてたり、桜雅さんも手に血がついているからみんな戦ってきたことは絶対だ。
「……みんな……無事ですか……?」
私が涙目でそう言うと桜雅さんはハハッと笑った。
「おまえなに泣いてんの? 大丈夫、無事春橋は俺らに服従するように懲らしめたよ。ただちょっと他の高校もいて時間かかった」
そう言って私の涙を拭く桜雅さんの手は暖かった。



