Flower Pink






崩れて泣き叫ぶ生徒を横に桜雅さんは私に近づいてきた。



「……手、大丈夫か」



「だ、大丈夫です。これくらい……」



私がそう言うと桜雅さんはバッと私を抱きしめた。



「お、桜雅さん……!?」



「ごめん……守れなくて」



そう耳元で呟いた桜雅さんの声に私はズキっと胸が痛んだ。



「……ほんとに大丈夫ですよ。みんなが私の名前を呼んでくれたおかげで気がついたので……」



「……」



……逆に桜雅さんが傷つかなくてよかった。



また私のせいで犠牲者をだすところだったから。



……自分の身は自分で守らないと……