「ちっ……!」 私を刺すことに失敗して逃げようとするその人を私は血だらけの手でグッと掴んだ。 「逃がさないわよ……! 誰に使われたか、正直に話しなさい!」 「……うるさい! 手を離せ!」 「……った……!」 ガッとお腹を蹴られよろめいたその瞬間、藤華さんが受け止めてくれてその横を桜雅さんがすごい速さで通り過ぎた。 「……大丈夫ですか!? 海桜さん!!」 「だ、大丈夫です。お腹じゃなく手なので……」