「海桜さん、手が汚れてます」 藤華さんはそう言って怪我人の傷をギュッと押さえてる私の手を上から抑えた。 「藤華さん……」 「……スカーフ……」 そしてそう呟いたかと思うと藤華さんは自分のスカーフもシュルっととって違う人の傷に巻き付けた。 「……スカーフちょうどいい長さで止血できますね」 「……はい」 にっこりと笑ってそう言う藤華さんに私はほっとした。 Queenである私がなんで大事なスカーフを使ったのかって怒られるかと思ったから……