「はいはいはいパスパス!!!」
「白石戻れ!!走れっ!!!」
「足が止まってるぞ!お前ら」
ーーキュッキュッ!!ダムダム……
絶えず床に響き渡るバッシュの音とボールが跳ねる音、激しく体をぶつけ合う音が女子バスからも男バスからも響き渡った。
未茉が入ったことでインターハイ予選突破を試みる野村監督は今まで以上に練習に熱が入っていて、
(う・・凄い熱気だ…アフター8に合コンが入っていたのに・・行けそうにないなぁ…)
はぁ。と涙ながらにため息をつく新米斎藤・女子部の顧問は、強豪でもなかったので練習もさほどないと思い、軽い気持ちで引き受けさせられたが、下校時刻過ぎても延長して練習する気持ちのいれように少し後悔していると、
「………」
その気持ちを読まれたのか隣ではキタローが大きな片目をギラつかせ睨んでいると、
「ハッ!!!」
(都市伝説か・・・!?)
その只ならぬ視線に気づいた新米斎藤は、キタローの都市伝説を当てはめ、無駄な身震いをするのであった・・・。
「おい、矢野!!一年の白石にあんな簡単に打たされて恥ずかしくないのかっ!!?」
「はいっ……」
二年の矢野は息を切らしながら未茉を睨みながら答えるも、
「お前はセンターだろっ!?リバウンドシュート何回落とすんだよ!?決めるとこで絶対に決めなきゃ大成になんか勝てねーぞ!!」
「……すみません」
中でも鈴木の控えのセンターの二年の矢野に野村監督の激しい激が飛んだ。昨日今日入部した一年の未茉の名前を引き合いに出され、矢野のプライドは傷つけられていた。



