「えっ10人辞めたんすか?」

遅れて女バスに合流すると、キャプテンがBIG3目当てで入った一年の新入部員がハードな練習に付いていけずに昨日で10人辞めたと未茉に告げた。

「面倒が減っていいや」と思わず口にしてしまったらキャプテンに睨まれて、

「言っとくけど、白石の練習量は変わんないからね、さっさと終わらせてゲームに参加しなさいよ!」
「はっはぁぁあーい!走ってきまぁーす」
逃げるように体育館を出ると、コンクールの奏者達の出遅れ組の外周に加わりグランドを走った。

「ふーーっ」
もちろんトップで終らせ、息を整えながらグランドを振りかえると、
「あ、椎名さんだ。」

「白石さっ……ん…はぁはぁ…凄いね足もやっぱ……早いんだ」
酷い息切れをしながら椎名も外周を終え、未茉の元へやってきた。

「おう。慣れてるぜ。」
「いいなぁーやっぱり才能に恵まれてんだね。」


「珍しいね。白石が女と喋ってる。」
隣のコートで水分補給してる三上が椎名と話す未茉を見つけると、翔真も目をやった。

「ようやく女の友達できたかな」
「ほんとだ。」