「あっれぇーキャプテンも指揮者なんすか?」
「私はピアノよ。」
「なるほど…似合うなぁ。」

指揮者の練習で放課後全学年のピアノ奏者と指揮者が集まってると鈴木キャプテンがいた。容姿端麗で繊細そうな雰囲気の彼女にはピアノ奏者はぴったりに思えた。

「え何、白石が指揮者なの?クラスのみんなが可愛そうね。」
「うっわー。美人に冷たく言われても角がたつー。」

周りを見回すと一年でも何人か女子バスの子がいたり、男バスの子がいたりした。

「白石さん、私二組のピアノ奏者の椎名舞と申します…!宜しくお願い致します!!」

振り向くと小柄でゆるふわなセミロングヘアの可愛らしい女の子が緊張気味に未茉の元へ挨拶に来た。

「あーこちらこそ宜しく!白石未茉っす。」とラフな挨拶で返しながら握手の手を差し出すと、「ん?」
見覚えのあるその顔に記憶を辿る。

「あ、椎名さんバスケ部の子だ!この前入部した。」
「そ……そうです!白石さんのような雲の上のような存在のエースに覚えてて貰えるなんて光栄です!」
「え、そう?」
参ったなぁ~と未茉は照れてるが、嫌な予感を察知した。

「ハッ。この前入部したってことはもしや……BIG3のファン!?」
「BIG3……?いえ、私は初心者なんですけど、バスケうまくなりたくて。」
「そうなんだ。よかった!じゃバスケも合唱コンクールも頑張ろうぜ!!」

意気込んで手を握ると椎名はニコッと微笑んだ。