「えっ、なんだその清水っていう奴、怖っ!!」

男子バスケ部の部室で着替えながらさっきの経緯を話すと結城が鳥肌立つぜと腕をさすった。

「そいつが変なことする奴じゃなくてよかったな。」
「うん。俺もそこが一番心配だった。」

「てか白石意外とモテんな!」
「意外と……?」
不思議なことを言う結城に、ぽけっとした顔で目をぱちくりさせる。

「だってよ、さっきも実行委員会代われって言われてたじゃん。」

(だから意外じゃないのに……)
一人、翔真は心の中で呟く・・・。

「まぁー確かに顔は可愛いからありっちゃありだけど、もうなんか俺にはあのガサツで自由奔放なあの性格は男同志みたいな感じだけど、よく知らない奴からみたらバスケ部の新エースで可愛きゃ誰でも近寄りたくなるんじゃねーの?」

「へぇ」
「へぇってお前もそうだろうが。」
「全然一緒じゃない。」
「お、翔真がムカついたとこ初めて見た。」
「なんか今日は似たようなこと言われる日だな」

「しかもよ、合唱コンクールで指揮者なんかやったら余計に目立つし」
「確かに…」
「とにかく他の奴に取られたくなかったら、お前はしっかりディフェンスしとけ!」

そうまとめられながら部室を出ると、そこには無言のキタローが手を合わせて立っていた。

「おっゎわっ!!!ビックリしたな!!急に立ってるなよ心臓止まるだろ!!」
結城がひっくり返りそうになるくらい驚くと、

「隣のクラスの清水には、もう白石に近づくなと怨念を送っておいた…」
「おお、助かる北。サンキュー。」
ポンっ!と翔真が肩を叩きながらさらりとお礼を伝えると、

「いやいやいや・・・!!!会話おかしいだろ!普通に怖ぇえだろっ!!!なんだよ怨念って!!!普通に受け入れるなし!!」
ツッコミどころ満載の二人のやり取りに結城はひきつるのであった・・・。