キーンコーン……
「あ、また予礼鳴った。」
屋上に連れてこられ謝っても翔真が無言でフェンスに寄りかかり座ったので未茉も真似して隣に腰かけると、
「隣のクラスの清水とサボってたって噂になってたけど本当?」
「うん。」
「知り合いだったけ?」
「ちょうどトイレから出てきた時にいて、実行委員会のプリントを配らなきゃだから音楽室に来てくれって言われて行ったら、話てみたかったから思わず嘘ついて呼び出したって言われた。」
「はぁ?!」
珍しく翔真が声を張り上げるから、
「あんだよびっくりすんな!急に大声出すなよ」
思わずビクッ!!と未茉は体を震わせ驚いた。
(ソイツ殴りたい・・・)
そんな気持ちを抑えた彼は急に大きな体を縮こまらせて頭を抱えた。
「珍しいな翔真がそんな感情的になるの。試合でも何考えてんのか分かんないのに。」
「未茉ちゃんのこと考えてるの!」
やり場のない怒りを堪えながら伝えるも、
「おお、さんきゅ。あ、ガム食べる?」
「・・・・」
自分の言葉に全く深く考えてくれない様子の彼女へ目を細めると、ちょっと疲れたのか未茉は心落ち着けようとポッケの中からガムを取りだし食べて風船を作ってる。
キーンコーン……
別に悪くない空気感の無言が少し続いたらチャイムがなった。
「で、コクられたの?」
「まぁ、そうなるの…かなぁ?
でもなんか芸能人のインタビューみたいに色々聞かれた。」
「芸能人?」
「もうチャイム鳴っちゃってたからサボりだと思ったからさ、話したいって言われたから、じゃ話そうよ。って言ったら出身どことか、休み何してるのとか、色々聞かれて答えてちょっと疲れたな。」
カシャンっと音をたててフェンスに横になり、ため息ついて空を眺めた。