「白石!!お前5限どこ行ってたんだよ!!」
5限が終ってクラスに戻ってきた未茉に結城がキレながら尋ねた。
「うーん。音楽室。」
「はぁ?音楽室?」
「なんか話しすぎて疲れた。」
椅子に座り、机に重い頭を乗っけて横になると、
「翔真がお前のこと心配して探しに行ったまま帰ってこないぞ。」
「は?!嘘!なんで?!」
「5限抜け出してから」
未茉は思わず立ち上がり探しに廊下へ出ると、
「どこ行ってたの?」
廊下にどんなにたくさん人がいても頭1個飛び出てるふわふわ頭の翔真がすぐ気づいてこっちにやってきた。
ズボンのポッケに手を突っ込み、怒りと寂しさが入り交じったような目をした無表情の翔真はいつものふわっとした空気はなく真逆のオーラを放ってた。
「翔真ごめん、探してくれてたって結城から聞いーー」
と言いかけた途中で、手首を掴まれ引っ張られ、大きな翔真が真顔で歩いてくから生徒達が道を開けていく。
その手は力強く、鈍い未茉でもなんとなく翔真の機嫌が悪いのは分かった。
「本当にごめん!まさか翔真がそんなに探してくれてるとか思わなかったからさ…」
(そこまで怒るとこかぁ?)と思いながらも心配して探してくれたことは悪いと思い謝った。