「なんで?」
「ほらバスケで忙しいのかなって思って…」
「ウケる。うちのクラスでそんな気のきく奴いんだ?だったら最初っから立候補しろよ。」
その魂胆がなんとなく見えていた結城はあえて呟くとジロッと男二人に睨まれた。
「いやさ、ぶっちゃけ俺白石と仲良くなりてぇんだわ。同じクラスだけど話す機会ないし。」
男達はキタローといる未茉の方を見ながらコソッと翔真にその魂胆を打ち明けた。
「……」聞こえていた結城は翔真を横目で見た。
(さぁ、湊翔真選手……どうでるか?)
「未茉ちゃん!!」
翔真は男達の前で考えもせずに未茉を呼ぶ。
「もぉー!!翔真のせいだからな!!翔真でせいで指揮者になったんだからなっバカバカバカっ!!」
泣き怒りながら翔真の元へやってきた未茉に、
「実行委員、俺とこの人。どっちと一緒にやりたい?」
「はぁ?」
と未茉はしかめっ面で翔真を見た。男達はまさかの質問に動揺している。
「選んで。」
「誰とやったって嫌なもんは嫌なんだよぉぉお!!うわぁぁあーん!!!」
それどころじゃなく泣き出す未茉に、ガクッ・・!と翔真は期待も空しく机に頭を落とす。
いつも勝ち組である翔真の打ちのめされた貴重な姿に結城はお腹を抱えて笑い、
「白石!白石!!」
閃いた結城は面白そうに一つ聞いた。
「じゃキタローと翔真だったら?」
「キタロー。」(即答)
「!!!?」
KO負けした翔真と太刀打ちできず去ってく男達であった・・・。



