「あれ未茉ちゃんは?」
一方昼休み、一年二組の教室では目の前の席の未茉がいないことに気づき、マンガ読む結城に翔真が尋ねる。
「担任に抗議しに行ったよ。」
「何を?」
「指揮者取り下げ」
「指揮者?」
「・・お前もしかしてまだ寝ぼけてんの?お前も実行委員会だからなっ。」
案の定、・・・寝ぼけていて、
「代わって♡」
「ぜってぇーやだ。」
「……」
結城の冷たい拒否に涙ぐむ翔真。
「てか、白石がヤバイんじゃね?コンクールの次の日が大成と練習試合だし。」
「そうなの?」
「そう。アイツ鬼練メニューこなして部活終わった後も自主連してるし、朝練も一人でしてるし、相変わらず二年の風当たりは厳しいし。地獄だな。」
「ふうん…」
ーーーガラッ!!!
未茉は教室の扉を開いて足元をふらつかせながら教室に戻ってきた。
「あー、ありゃ抗議失敗の顔だな。」
クックッと面白そうに結城は未茉の姿を見て笑ってると、
「ドンマイ」と見かねたキタローが声をかけてくれ、
「キタローぉぉおおっ!!!」
うぁぁーんっと未茉は泣きながら抱きつくと、
「うっ・・・・」
真っ赤になって地蔵のように固まる。
「ダメ!!そこの二人離れて!!!」
ーーーガタッ!!!
その光景に翔真は急に目が覚めて立ち上がって怒りだすと、
「湊、よかったら俺が代わろうか?実行委員会。」
そこへあまり話したことのないクラスの男子二人が翔真の元へやってきて話しかけられた。



