「おい!!新米!!
あたし無理っ!!!ぜってぇ無理だからな!指揮者なんて絶対無理!!!」

未茉は職員室で担任への抗議を始めた。

「誰が新米だ・・・」

「それにあたし指揮者とかやったことなければ、ピアノも弾けない音痴だしっ!!」(聞いてない。)

「安心しろ白石。誰もお前のピアノも歌声も期待していない。お前は安心して指揮者になれ。」

そんな抗議など受け入れる様子もなく斎藤は微笑みながら言い放った。

「無理無理無理無理!!!
指揮者なんてやったことない!!!」
「安心しろ。当日までの放課後一時間練習時間とってあるから。」

「尚更無理っ!!!新米も知ってんだろ!?あたし月末に大事なだっいじな初試合があるんだってばっ!!!鬼練しなきゃならないのに!!!」

向かいの机に肩叩き棒で叩きながらパソコンをいじっている監督であり、教頭の野村が目に入り、

「ねぇノムさん!!あたし超ーー放課後忙しいですよね!?」と相槌を求めるように側に駆け寄るが、

「馬鹿野郎っ!学校行事は最優先だっ!!しかも合唱コンクールは我が明徳学園の伝統行事だぞ!?真面目に取り組まない奴は大成の練習試合は一切出さないからな!!!」

「ぶっあはははっ!!残念だったな白石!!!俺の授業で寝ていたお前が悪いっ!!頑張れよ」
窮地に立たされた未茉に新米斎藤が勝ち誇ると、

「翔真だって寝てたじゃん!!」
「あほ、翔真が指揮者なったらでかすぎて観客席からみんなの歌う姿が何も見えないだろ。」
「あたしだって167センチあるじゃんか!!」

「ま、翔真も罰としてコンクール実行委員会だからな。二人で頑張れよ!」