「何してんのっ!一年!!」

ーーガラッ!と扉は開き二年の女子達が苛立ちながらこっちにやってきた。

「騒ぎに来てるんなら、みんな辞めさせるわよ!?」
「白石もインターハイ出場なんてデカイ口叩いてサボりやがって!!」

「昨日はサボってしまい、本当にす…」
大声でお辞儀をして謝罪をしようとした時、

「またなんか騒いでんの?」

背後からキャプテンと三年生達がやってくると、

「キャプテン……!」
「また一年が…」

「昨日白石はね、私と野村監督で大成の練習試合に連れていったの。」

「えっ……!?」
「そうなんですか?!……なんでですか!?」
「なんで白石だけ……」

キャプテンはウェアーを肩に羽織らせ、腕を組ながら静かに部員たちを見ながら口を開いた。

「今月末の練習試合大成女子に決まったから。」

ざわっ…!!と女子達はざわめいた。
「ほっ…本当ですか!?今年の冬のウィンターカップ全国ベスト4の大成と練習試合なんて!!」
「公式戦で当たる以外練習試合なんてうちとなんて組んで貰えたことなかったのに…!!」
二年達は興奮気味に胸を弾ませた。


(…そう。興奮するのも無理はない。全国レベルの相手に練習試合を申し込んでも断られるだけだ。それが今回承諾されたのは、全中優勝者の白石がいるからだった。)
監督から聞き、少し悔しい思いはあるものの、鈴木はそれでもチャンスだと思った。

「白石は大成を知らない。だから連れていった。」

「えっ!!?」
まさかの口裏合わせに思わず声に出して未茉は驚くも、鈴木にジロと睨まれ口をつぐむ。
(あたしが勝手にサボったのに、鈴木さん庇ってくれたんだ…!!)