そして試合は92対68のハイスコアゲームで明徳は五年ぶりに強豪の大成に勝ったのだ。
「「ありがとうございました!!」」
互いに健闘を称え、握手を交わし合い、「勝ったぁぁ勝ったぁああ!!」
練習試合にも関わらず監督は泣き始める。
「「よぉっし!!翔真ぁぁ!!」」
二三年は勝利の立役者の翔真に一斉に飛び付く。
「次はマイクさんがいるから勝てないよ。」
にこっと早乙女が三上に握手を交わしながら言うと、
「勝って見せるさ。」
負けじと言い返すと、
「…あのさ、三上。」
「?」
何か改まった表情で聞きたいことがあるのか、観客席の方を見上げて、
「明徳の女バスの一年に…」
「翔真ぁあ!!やったじゃん!!」
コートの外から翔真に向かって駆け寄ってジャンプしてやってきた未茉はイェイッ♪と両手でハイタッチした。
「あ。」
そんな生き生きとした輝かしい笑顔の未茉が早乙女の瞳に映ると
「いた…」
気づくと口許を綻ばせていた。
「早乙女?」
どうした?とその顔を覗きこむと、
「あ、いや悪い。なんでもない。ナイスゲーム。また」
「ああ…また。」
不思議な早乙女に首を傾げるも、彼はベンチの方へ戻っていった。



