「たかが新一年が加わっただけで格下相手に恥ずかしくないのか!?うちは今年は全国優勝目指すんだぞ!?」

第4Q。もう完全に点差は開き、ギャラリーも静まり返っていたので大成の監督の怒鳴り声だけがよく響き渡っていた。


「早乙女、ようやく出てきたか。」

もう二三年は見放され、罰として全員ベンチに戻された大成は、全員一年と交代すると、するとコートに入ってきたガードの丸坊主頭の早乙女に三上がそう嬉しそうに声をかけた。

「三人とも久しぶり。」

早乙女も中学校時代強豪中学校にいて同世代のBIG3とは、よく試合で戦っていたり、東京選抜などでも顔を合わせ一緒だったので親しかった。

「今日はどうしたの?湊。やたらと張り切って。」
なのでらしくないプレーに早乙女も気になると、
「ご褒美に好きな子のちゅーが貰えるから頑張ってるんだとさ。」
結城が呆れながら答えるも、
「え?湊ってそんなキャラだったけ?」
意外すぎたのか目をぱちくりさせ驚いた。


「ベンチから交代したガードの奴、ちいせぇのにいいアシストするし、何よりいいディフェンスすんな!!」
一方観客席でも未茉が早乙女を指差すと、マイクは頷いた。

「早乙女か。まだ一年だけどディフェンスならうちでトップを争う。」
「へぇ。多分チームを救ういいシックスマンになるぜ。」