「Damn…!あの一年の三人の連携くらい俺ならぶち壊してやれんのにな…」
怪我してなかったら、こんな好き放題じゃねぇのにと悔しそうにコートを見つめマイクは拳を握りしめると、

「あの三人は大きくてゴール下の支配力も連携ばっちりで上手いし、うちの二三年も背はあるし、スタミナもある。本当に今年の明徳は強いわよ。私は初のインターハイ出場できると信じてる。」


「…huh…」
どこか面白くなさそうに返事したマイクは…


(本来なら、翔真を…あの三人を大成に入学させる予定だった。
というか、俺が何よりも欲しがっていた。

BIG3と、冬休み一緒に食事をした時も、
“もちろんお前ら大成来るよな?”
“もちろんですよ!!大成でマイクさんと一緒に今度こそキング・桐生を倒したいです!!”
結城と三上は乗り気だったのに対し、

“翔真、お前も来るよな?”

上の空でご飯を食べてる翔真に、
“おい翔真!!”
と結城に揺さぶられ、
“え?”
“だから高校!!大成に進学するよなっ!?”
曖昧な返事をしていたあん時も、嫌な予感はしていた。

アイツらだけでも関東大会くらいなら優勝できる。でも全国優勝は粒揃いの名門校でないと無理だ。
うちのような。

“マイクさん!!聞いてくださいよ!!翔真が急に志望校変えるって!!”
受験直前、半狂乱の結城からそう言われた。
“なんだと!?なんでどこに?!”
“明徳高校に説明会行ってから急に言いだしてきかないんですよ!!”
“明徳ってーー”

確かに悪くはない。
だが、よくて区内ベスト3、東京ベスト16に入るか否か…
神の子とネットを騒がせ、BIG3と言われた三人が、翔真が行くような高校ではない。