「あの二人はデキてんのか。」

本日ベンチ入りもしないマイクが観客席で肘をつきながら未茉と翔真を見て隣に座る鈴木に尋ねた。

「さあ。なんか色々言われてるけど明らかに湊は白石のことが…」
興味なさそうに答えるところへ、未茉が禅を連れて戻ってきて紹介する。

「あ、コイツはさっき話してた禅。
禅、大成高のマイクと、うちの明徳女子の鈴木キャプテン。」

「どーもマイク。」
「いやいや・・・!!マイクさんっだろっ!!・・ったく、まぁ先程は後輩を叩きのめしてくれてありがとう。」
さすが白石の後輩だとひきつるも、とりあえず貫禄を示そうと余裕の笑みを浮かべるも、

「まー余裕でしたね。」
すかした禅の発言にマイクは明らかにイラつきを隠せずにいて未茉は「ぷっ!!」と吹き出した。


ピーーッ!!!
「あっ、始まる!!」
試合開始のブザーが鳴り響くと、未茉は立ち上がり、また口一杯肺一杯息を吸い込み思いっきり叫んだ。


「いけーーっ!!明徳ーー!!!頑張れーー!!」

キィーンッ!!とする耳を塞ぎ「またか、油断した」とマイクとキャプテンは耳鳴りが止まらない。

「君は平気なのか」とマイクが禅に尋ねると、
「慣れてます。」
「さすがだな・・・。」

「湊、試合開始からキレッキレに見えるけど…あれでまだ覚醒前なの?」

試合が始まると、一気に翔真は大成のゴールを脅かし、開始二分ですでに8点決めているのを見て聞いてた話と違うと鈴木がマイクに聞くと、

「いや・・・試合開始からあんなに気合いの入った翔真は見たことねぇぞ。」


そんなやる気全開の翔真ならば、と結城と三上もガンガン翔真にパスを回し、面白いくらいに中から外から決めまくりの流れにのった明徳をもう大成は止めることができなかった。