「きっ・・・!!君は、あの白石未茉かっ!!?」


バスケットボールを片手に元気に体育館を縦横無尽に走り回る未茉の姿を見て、やってきた野村は目を疑った。

「あっ、はぁーい!!白石未茉でーす!!」

そおでーす!と監督に両手をあげて返事をすると、

「え…野村監督ご存知なのですか…?」
新米斎藤が、彼女を見るなり突拍子もない声をあげてるので驚くと、

「知ってるも何も…!!夏の全国中学校女子バスケの優勝者でMVPの白石未茉だよ!!!」

むしろ君は知らないのかっと言わんばかりにぷるぷるっと震えながら野村監督が未茉を指差して震える。

「え・・全国中学……優勝…ええ?!つまり、中学生ナンバーワンプレーヤーってことですかぁぁあ!?」
この子がぁ!?
思わず悲鳴のような大声をあげて確かめる。

「君が……ああああの……!!白石清二の娘で超サラブレット天才少女と唱われてる・・・!!」

都大会も何度も連覇していて言わずとしれた彼女の活躍もその名前もバスケを教えるものとして、知らないわけがない。
そんな彼女が我が無名校に入学するなんて信じられないと腰を抜かしそうになるのも無理はなかった。


「白石未茉かっ!!?」