さすが去年全国二位の中学校なだけあって王子中が大成中を破り試合は圧勝した。

「なんか凄いな…東城と白石のコンビ…。あれじゃマジで全国敵なしじゃねぇのか。」
高校に入学したら脅威だなとマイクが圧巻のため息ついた。

「全国二位…一位はどこだったんですか?」
ふと疑問に思った翔真が尋ねると、

「はぁ?!お前らの代じゃねーか・・。
一位はバスケオブキング・桐生嵐率いる福岡高校だろ。一昨年俺らも準決で当たって負けただろーが!!」
「ああ…そうだった。」
終わったことは全てリセットするタイプで自分のチーム以外の勝敗もすぐ忘れてしまう翔真だった。

「エースのお前がそんな抜けてるんじゃ、うちには勝てないな。せいぜい骨鳴らししとけよ。ルーキー。」

控え室へ移動するため立ち上がる翔真にポンッとマイクが肩を叩く。



「ねぇ湊は中学の時からあんなに天然なの?」

なんだか明徳男バスの未来が心配になる鈴木が思わずマイクに尋ねる。

「ああ・・4クォーターまであんな感じでゆるキャラだな。負けそうになると急にやべぇやべぇってスイッチ入れるタイプ。」
「なにそれ・・同じチームだったらイライラしそう・・・。」
「いや、でもいなきゃ完全に負ける。仕事はしてる。何でもすぐ器用に人並み以上にできる分、剥き出しの闘争心ってか、貪欲さが昔からあんまりないのが玉に瑕だ。」