「あんだよ!日本語喋れんの?!外人!?ハーフ?!もしかしてプロの選手か?!」

正直者の未茉は素直な感想を述べて、別格のオーラが漂う彼の存在感に食いつく。

「・・・・。
大成高校二年のマイクジョーンズ・ヒロだ。宜しく。」
あまりにも無礼な態度に渋々自分から名乗りだす。

「顔に似合わず日本語ペラペラじゃねーかっ!!」
「ああ。日本とアメリカのハーフだが、礼儀にはうるさいぞ。」
わざと意地悪な言い方をする彼は、日本の文化をこよなく愛し、アメリカ滞在期間も長いものの、出身は九州でいわゆる九州男児がしっくりとはまる妙な貫禄を放っている。

「彼女が噂の天才少女、か。」
と白人マイクがキャプテンにコソッと耳打ちすると、
「そう・・。」
失礼な奴でごめんね。と我が後輩ながら恥ずかしそうに鈴木は答える。


「キャプテン、今日化粧してるんすか?」
いつもとは違う雰囲気の鈴木に未茉の目がいった。
「うん。まぁ」
「へっーきれぇ。」
いつも部活のすっぴんの姿しか見ていなかったから思わず別人の彼女に口を開けて見とれると、
「そんな分かりやすいお世辞で機嫌とろうとしても無駄よ。」
「ちぇっ。バレたか。」

(・・コイツ・・。)