「白石ぃ!!!?」

突如背後から聞こえる怒鳴り声混じりのような声に未茉はビクッ!!と恐る恐る振り返ると、

「やっぱり白石じゃないか!!お前は一体何してやがるっ!練習どうしたんだ!?」

絶妙のタイミングで野村監督に会ってしまったのだった。
「ノムさんっ!!?なんでここに・・・!!?」
「男子は大成高と練習試合なんだよ!!!」
「えっ!!?」
そりゃいいときに来た!と思わずにんまりとしてしまうも、

「弟の試合見たくてすみません……終わったら練習するので見せて下さい!!」
反省してるふりして監督に思いっきり頭を下げてお願いすると、
「……仕方ないな。座れ」と席を空けてくれた。

「わぁーい!!ありがとうございまぁーす!!」
単純な未茉はケロっとした顔で上機嫌にベンチに腰かけると、

「ふぅん?」
監督の隣にはなんと鈴木キャプテンが座っていて未茉の方に無表情で顔を覗かせた。
「キャッ・・キャプテンなぜにここに?!」
未茉は驚き、思わずまた立ち上がってうろたえる。

「一二年は練習のはずよねぇ?」
ぎろりっと鋭い目つきで睨まれ、
「いやはや・・・こっ・・これには深いじっ事情がっ!!」
滝のような冷や汗が顔面に流れうろたえるも、
「ま、インターハイに駆ける思いがその程度だってことが分かったからいいわよ。」
「うぁあーんっ!!せんぱぁぁあい!!」
見捨てないでぇぇと泣きついていると、


「どうもこんにちは。」

キャプテンの隣にいた金髪に近い茶髪の青い目をした白人が薄ら笑いを浮かべ挨拶してきた。
「デッ・・デカ!!!」
二メートル近くはあるであろう、長身で服の上からでも分かる体格のいい男で貫禄もあった。