大成中に到着すると体育館にはバスケやバレー部の賞状とトロフィーが飾りきれない程ぎっしりと並べられていた。

「すっげー広いコートだなぁ!!四面もあんのかよ!!」

バスケ専用の五千人は入れる程の観客席を完備した中高合同の試合用体育館の設備の良さときたら半端ない。
「中学の試合の時から何度も来ていたがドキドキするし、部活もサボって来てるから更にドキドキするぜ!!」
後輩と弟の活躍を見たくて部活は遅刻することに決めた。

「先輩、じゃあ勝ったらキスを。」
「なんでだよっ!!?真顔で言うな!!」
会場到着の開口一発目の緊張感なさすぎの禅の言葉にズコッ!と未茉はひっくり返る。

「セックスでもいいです。」
「セッ・・・!!?」

「禅、ほら行くぞじゃあな!姉ちゃん」
「おう!!頑張れよ応援してるから!!」
未茉が大きく手を振ると、顧問や部員達の元へ行き、禅がこっちを指差すと

「「未茉先輩ー!」」とみんな懐かしそうに喜んでこちらへ大きく手を振ってくれる。

「おー!!お前らぁ頑張れよぉぉおお!!」
柵ギリギリまで身を乗り出し大声で手を振り返す。
「あんな大声で・・・恥ずかしいなぁ」
和希は真っ赤になりながら、ため息つくも、
「いつ見てもお前の姉ちゃん本当美人だよな!!」
チームメイトが和希をつっつくと、

「おい。お前ら俺の女のことそんな目で見るな。」
一人、禅はチームメイトにぶちギレる。

「「「え・・・・。」」」
急に嫉妬を剥き出す禅に驚き、一同は固まる・・。

「わりぃ、わりぃ。……て、東城は彼女(いっぱい)いるんじゃないの?」

「ああ、まぁ色んな女と遊んどいた方が、先輩と付き合った時、色々喜ばせてあげられる術あるっしょ?」
要は経験だと言いたいらしいが、

「・・・なんか凄いな・・。」
果たしてそれ喜ぶのか?とチームメイト達は小さく疑問に思うも、まぁ人それぞれか。と思うことにした。


「おい!禅・・・。お前姉ちゃんをからかうのいい加減にしろよなぁー…。」
友達が自分の姉に盛りついてる姿は正直気まずさしかなく、苦言を呈する。

「からかってないぜ?勝ったらキスする。」
「・・・だからやめろって。」