「相変わらずちっちぇーな!成長期やっぱ終わったか?」
禅はバスケットプレーヤーとしては小さい方で、未茉の隣に立って背伸びしてもあまり背丈が変わらない。
「うるさいです。春で一センチ伸びてますから。」
「170だろ?あと20cmはねぇーとな。」
そうわざと煽り、禅の持っていたボールをカットしようと手を伸ばすも、素早いドリブルで交わされてしまう。
「先輩もあと2カップくらいは胸が大きくならないとですね。」
「あぁ・・!?うっせぇっこの野郎!!」
「うわっこえーーっ!!」
じゃれあいながらも、そのまま公園のリングにシュートしてゴールを禅が決めると、未茉がネットから落ちたボールを手にする。
「なんか久し振りですね…」
「お互いよく居残りして気づくといつもバスケ一緒にしてたよな!」
ダム……ダム……
背丈があまり変わらない禅とは、中学時代は未茉のいい練習相手だった。よく居残りして1ON1をしていた。
「禅はいつも本気でぶつかってくるからあたしはお前が練習相手になってくれるのが一番勉強になったぜ。」
女だろうと手加減なく体をぶつけてくるお陰で他校のどんな優秀なディフェンスも生ちょろく見えてくるのだ。
「やだなぁ。練習は未茉先輩と一緒にいられる口実ですよ?」
「なに言ってんだか!」
「ちなみにこうやって密着するのも先輩に触れたくて、ですからね?」
幼顔でニヤッとした笑みの下では嫌らしい手つきで腰に手を回すギャップのありすぎる禅のお腹に肘を思いっきりいれて、
「ぶっ!!」
「よっしゃぁあ!!」
踏み込んでシュートするが、
「完全ファウルでしょうがっ!!」
「お前もだろーが!!」



