「こんちっわー!!へぇーっ!きれーだし設備いーじゃんっ!!やっほぉぉいっ!!」

明徳学園高校説明会の日、まず未茉が向かったのは体育館だった。

「元気がいいねぇ~。君はバスケ部入部希望かな?それとも卓球部かな?」
部活案内をしているまだ大学上がりの新米のように若々しい男の先生に訪ねられると、
「おう!!あたしはバスケ部だぜ!!」
「あっ……そっ、そうか。」
(タメ口……)
威勢のいい元気な少女にひきつるも、

「僕、斎藤と申します。春からバスケ部の顧問を担当させて頂くので宜しくね。」
新一年生に嫌われたくない思いで爽やかな笑顔で挨拶するも、
「あ、そうなの?せんせーバスケはやってた?」
「あ・・・いや・・・それが・・」
(スポーツは全くダメでバスケはルールもよく分からないのが本音で新人教師だから押し付けられたとは言えない……)
悶々とし、言葉が詰まるのを苦笑いでごまかそうとするも、

「あ!!でも大丈夫!僕はあくまでも女子の顧問で監督は男子と合同で大ベテランの野村先生が担当してくれるから!!今呼んでくるね!!」
色々突っ込まれてボロが出るのが嫌だったので、新米斎藤は監督を急いで呼びに行った。