そんな状況を察したキタローはジトッ…と片目で睨み強めの怨念を遠くから発する。
「うっ……!!」
背後から悪寒が走り佐々木は身震いをするも、

「あの… さ、白石のことすげーかっこいいなって思って。さっきも先輩達の前でインターハイですって…」

「あーあれ?かっこいいのかは謎だけど。あはは」

「隣でプレーしてても凄いキラキラしててなんか目がいっちゃって練習に集中できなくてこの気持ちが……」
と溢れんばかりの想いをいざ伝えようと彼女の目を見た時、

ーーバンっ!!

突然入り口から床へボールが叩きつけられ視線を上げると


「佐々木ー!1on1やろーぜ!」


翔真がやってきて上着を脱ぎながら言った。


「えぇっ!?」

急にやってきたと思ったら、翔真は強引に佐々木の肩を組み男バスのコートへ無理矢理連れてく。

「ちょっ……!!ちょっと待って!湊!!俺、今白石に話がっ……」

取っ捕まえられながらもジタバタしてる佐々木に翔真は小声で言った。


「俺の好きな女口説くなら俺と勝負で勝ってからにしろ。」


「えぇっ!?無理だよそんな……」
ガーンッとショックを受けたのも束の間、半泣き状態の佐々木がコートへと誘導されてしまった。