「あっ!そうだっ!!あたし翔真のタオル洗って返そうと思って部室に置きっぱだった!ちょっと待ってて!」
部室に入り持ってきた自分のタオルに巻きかえ、翔真のタオルを二枚返すと

「えーっ」と眉毛をへの字にして駄々こねた声を出され、

「あ?何がえーっなの?」
翔真は未茉のタオルを取りあげ自分に巻いて、洗ってきた翔真のタオルを未茉に巻いて満足そうに笑った。

「そっちがいいの?」
「うん。」
「スポーツ用タオルだから吸水性そんな変わんないと思うよ。」
「うん。でも未茉ちゃんのだし。」

「ぷっ」と未茉が笑うと、
「?」
「変な奴。」
「そお?」

「ああ。タオルなんかに妙なこだわりがあるんだな。」
「ないよ・・・。」
またもやガクッと肩を落とした。

「なんかさー、お前バスケが上手いからモテてんだと思ったけど、お前の笑顔ってなんか憎めないよな。」
「え?」
「みんなお前のこと自分の人生左右させるくらい好きじゃん?なんかそうさせるオーラでもだしてんのかとも思ったけどよ!!」
「??」

「地球で大戦争が起きようとしてもお前の笑顔みてたら、ああ戦争なんてやめましょう。争いなんかバカらしいわぁ。みたいな感じ?」
「なんか壮大だね。俺の笑顔…」

「あっはははっ!!いや、マジみんながみんな翔真翔真って惚れてくのが分かるよ。お前みたいな奴は世界平和に必要だもんな!!じゃーな!」
タオルを振り回し走りながら未茉は体育館へと戻ってくも、

「全然っ嬉しくない・・・。」

ぽつりと強めに翔真は呟くのであった。