「よしっ!!終わったぁあ!!」

一番乗りで外周を終わらすと、校庭の水のみ場の蛇口をひねり、豪快に頭から水を被り髪をかきあげた後、ゴクゴクと音を立て喉へと体が欲してる冷たい水を流し込む。

「お疲れ」
背後からやってきた大きな影と共に声に気付き、隣に目をやると水を飲む翔真と目があった。

「あは、なんか見られて飲むと緊張する。」

少し照れくさそうに大きい図体をちょっと屈ませて笑う姿に、

「おうなんだ翔真か。」
蛇口を止めて未茉は濡れた髪を束ねる。
「なんだって・・」
ちょっと傷つくも、ピチャッと頬に飛んだ彼女の髪からの水飛沫に顔をあげると、

ゴムを唇で噛みながら髪を束ねると綺麗なうなじと首筋ラインが、いつもの未茉とは違い女っぽくて…思わずじっと見つめてしまう。

狙ってないナチュラルな彼女の雰囲気もスタイルに翔真は惹かれる。

「なに?」
そんなじっと熱のこもった視線に気づくと、
「ん?ああ。ごめん。見とれてた。」
ふっと正直に伝えると、
「あ」
滴が肩や体に落ちる未茉に気づき翔真が自分が使おうとしてたタオルをそっと彼女の首に巻きながらまた微笑む。