「じゃー次、ボール持って。ドリブルの基礎から教えんぞー!!」
「えーむずかし~」
きゃぁきゃぁと可愛らしい声でしりもちついて座る新入部員に「ほら、立てって!!」と促すが、
「え~もう疲れたちょっと休憩~」
先輩のいないところで同じ一年が教えるからか甘ったれて中々前に進めない。
「おいっ!!バスケはめちゃくちゃスタミナ使うんだぜ?こんなんで疲れてたら試合になんか出れねーぞ!!」
だらしない声を出す面々に渇をいれるも、
「あっ!!!きたきた♡♡
来たよーBIG3!!♡♡♡」
「えっマジ!?超かっこいい!!」「見たい見たい!!」
男バスのコートにBIG3が入ってきた瞬間、突然重い腰を上げた女の子達はより一層きゃあきゃあと騒ぎだし、仕切りの緑ネットに手をかけ群がって三人を見ている。
「おいっ!次、行くよ。」
緑ネットに群がる女の子達に言うと、急にキッと鋭く刺さるような目付きで振り向かれ、
「うっさいなぁ!ちょっと黙っててよ!!」「そうよ!!私達翔真君を見るために」「BIG3に近づくためにバスケ部入ったんだからっ!!」
「はぁぁああ!!?」
耳を疑うような言葉に思わず口許をひきつらせ大声をだしてしまった。
「つーか、翔真の為に高校を選ぶとか、翔真の為にバスケ部とか、翔真翔真翔真ってあったまおっかしいんじゃねぇの!?」
全くもって理解不能な考えに未茉は持っていたボールを叩きつけて怒るも、
「何やってんのよ一年!!部活中に騒いでんじゃないわよ!!罰として外周30よっ!!」
そこへ女子キャプテンの鈴木がやってきて一年めがけて怒鳴り散らされた。