「てか最初から協力する気なんかなかったんじゃないの?手なんか繋いじゃって。」

「え?あれはあたしが無理矢理ひっぱっ…」
「絶対嘘!!よくいるんだよね。モテる男をとりかこってその気ないよって見せかける奴。あんたの下心丸見えだから女子に嫌われてんだよ。」

「…!なんだよそれどういう意味」
売られた喧嘩は即買いする未茉は、思わず詰め寄ろうとすると、

「湊は間違ってもお前らのこと好きにならない。」
どこからどこまで聞いてたのか分からないがそこへキタローがやってきて言い放った。


「キタローだヤバイ。目合わせちゃマズイ!!」
「死ぬ死ぬ」
「怖っ何よあんた達……ムカつく!もういい!!」
女の子はキタローと未茉を睨み付け廊下を走っていった。

「おいっ、なんだなんだ何もめてんだ。」
気になった結城が廊下へ出てくるが、キタローにありがとうと言おうと未茉は振り返ったが、いなかった。


「そんなこと頼まれたのかよ・・・」

あらかた話すと結城も入学してから何人かの女の子に頼まれて何人かのは言付けしたらしいが、

「もう面倒だから断ってるよ。ってかな!!お前は絶対断れ。」
「言われなくてももう断るよ。もう面倒すぎるしよ!」

「いや、そうじゃなくてお前からそんなこと言われたら翔真がかわいそうだ。」

「なんで?」
「なんでもだ。」
「俺ならショックでバスケに行けない。」
「はぁ?なんで?」

(ここまで言ってもわかんねぇんだもんなぁ……鈍いというか、なんというか。)
ため息しかつけずにいた。