「「「大成!!大成!!」」」
「「三年連続女子インターハイ出場決定!!!」」
大歓声と記者達のフラッシュが一斉に大成に向けられる中、明徳の部員達は床に崩れ落ちすすり泣いていた。
スッ……と未茉の側を何事もなかったように平然と田島は通りすぎ更に拍手と歓喜に湧くベンチへ向かった。
負けたーーー。
敗北感はそこにはなく、ただの無だった。
「白石……」
キャプテンがやってきてギュッと力一杯抱きしめながら、
「頑張った!本当に!!頑張った!!お疲れさま!!」
沢山の涙を溢しながら明るい声で未茉の背中を温かく擦る。
そして明徳のみんながコートの選手へと大きな拍手を送り迎え入れる。
ーーーーパチパチ……
怪我をした未茉は同情を買われたのか、会場中から拍手を向けられたが顔をあげることはなかった。
「……未茉……」
勝ったのに静香は大成のベンチへ行くこともなく、喜びもせずに止めどなく溢れる涙を溢しながら未茉の元へやってきた。
「だから嫌やったんや……」
「…静香」
その張り裂けそうな声に気づき未茉はようやく顔をあげた。