「一本でも田島が落としてくれれば…、逆転の可能性は上がるな。」
真剣な眼差しで健は唇を噛みしめた。
同点でオーバータイムならば、未茉の体力的に勝利は絶望に近い。

「…」
翔真も目を潤ませ拳をグッと握りしめた。
祈るように。



どうか外れてくれ…
霞み滲む天井を見上げながら、未茉は祈った。



シュッ……
だが、そんな願いも空しく、無情にもネットを潜らす音が耳に届いた。




田島は全国に向けてのラストシュートを光を差すリングへと真っ直ぐと放つと、二本とも決まった。


残り12秒、四点差。
それでもシュートを打ちに全力で明徳は走ったが、叶うことなく、

68対64ーー東京インターハイ予選、激闘を制したのは大成高校だった。