「おせーよ。ホームルーム終わってるぞ。」
教室に戻ると結城の嫌みがお出迎えだ。
「おう、ちょっと野暮用頼まれてな。」
面倒くさそうに、翔真の席を見るとその姿はない。

「なぁ翔真って彼女いるの?」
「おっ♡」
「?」
「いい質問してくんじゃん!!白石にしては珍しく!!」

それのどこがいい質問なのか分からない未茉だったが結城の目が嫌らしくニヤニヤしながら身を乗り出して近寄ってきて、
「いないよ!」
しかも嬉しそうに答える。
「で、どうすんだ!どうすんだ!?俺が力になってやるぞ!!」

「えっ!!マジ!?本当!?じゃこの件、結城にパスしていいかな?!」
「え?あー!丸投げはよくないだろうけど、いーとこまで協力してやっから!!」


「近い。」

バコッと教科書丸めていつの間にか戻ってきてた翔真に結城は叩かれ、未茉から体を離そうとしてる。

「いってぇー!!お前、いいのかそんなことして!!俺が協力してやらなきゃ絶対うまくいかないんだからなっ!!」
プンッと結城は怒りそっぽ向きながら教科書を開いた。

「何未茉ちゃんなんのこと?」
「昼休み、お前に話があるって隣のクラスの子に頼まれてるんだよ。屋上に行けよ!いいな?」

「…」